ふだん、私たちがなにげなく利用しているウェブサービスの提供元を気にしたことはありますか?AmazonやGoogleといった超巨大企業が提供しているサービスは、1つのアカウントで複数のデバイスからの利用ができるマルチプラットフォーム対応がなされており利便性が高いです。そのため、同じ提供元のサービスばかり利用しているという人も多いでしょう。
超巨大企業が提供するサービスはより多くの人がより高い満足感を得られるように設計されていることがほとんどです。ポイントは、すべての人に最高の満足感を与えることは目的としていないことです。Googleが提供するメールアプリ「Gmail」を例に出すと、多少の不便があっても、他社サービスと比較して相対的に利便性が高い状態にします。するとユーザーは「Gmailのここはだめだけど、でも、ほかはいいからな…」とサービスを利用し続けます。
IT企業関係ではすでにGoogleをはじめとしたGAFAという巨大企業があります。そのため、資本力を持たない個人ないし中小企業がGAFAのビジネスモデルをマネし、誰もが利用するようなメジャーなサービスを作り、運営していくことは現実的ではありません。
そこで注目するべきは、巨大企業が目を向けていないニッチなサービスです。
ニッチサービスの魅力とは?
皆さんは「ニッチサービス」と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?ビジネスとして事業を展開するのであれば、気になるのは採算がとれるかという部分でしょう。確かに、ビジネスと利益は切っても切り離せない関係にあります。
しかし、ニッチなサービスだからこそ強い需要があり、うまくその需要を引き出すことができれば、それこそGAFAのような超巨大企業になることも夢ではないのです。
今や世界中で1億5,000万人以上の有料会員を持つAmazonも、はじめは本のネット通販からはじまりました。ところが現在はどうでしょう?Amazonで購入できないものはないくらい、生活に溶け込んでいます。ニッチなサービスでもヒットすれば世界規模の企業になれるのです。
ニッチなウェブサービスの事例
一部の企業はニッチなサービスの強さについて理解しており、さまざまな展開を行っています。その中でもユニークなもののひとつに、理美容師が使う美容ハサミ(シザー)の買取を行うサービスがあります。
中古美容ハサミ買取サービス「シザー買取ウイング」はただの買取サービスではなく、取り扱いブランドを絞り、さらに宅配買取に特化することで経費を抑え、買取金額を高くすることに成功しています。これにより既に多くの理美容師が、使わなくなったシザーの処分先のひとつとして利用しています。LINEによる簡単査定から申し込みが始まります。この手軽さも魅力のひとつと言えるでしょう。
例に挙げたように、ニッチなサービスはさまざまです。「こんなサービス、あったらいいな」と思ったらそれが新しい商売のきっかけになるかもしれません。